【2025年最新統計】孤独死・孤立死の現状を数字で解説|全国と兵庫県の警察庁データ

2025年、警察が取り扱った遺体のうち、自宅で亡くなった一人暮らしの人は、全国で76,941人に上りました。

兵庫県でも、自宅で亡くなった一人暮らしの人は3,416人確認されています。

ただし、この数字をすべて「孤独死」と呼ぶことはできません。

家族や知人との交流があり、亡くなってから早い段階で発見された人も含まれているためです。

では、一般的に使われる「孤独死」や、国が実態把握を進めている「孤立死」は、どのように捉えればよいのでしょうか。

この記事では、警察庁と内閣府が公表した2025年の最新資料をもとに、全国と兵庫県の状況、年齢別の傾向、発見までの日数を詳しく解説します。

兵庫県姫路市を中心に特殊清掃を行っているALが、統計から分かることと、実際の現場で必要となる対応についても説明します。

目次

孤独死と孤立死に全国共通の法律上の定義はある?

「孤独死」という言葉は、報道や一般会話で広く使われています。

しかし、孤独死について、現在の日本に全国共通の明確な法律上の定義があるわけではありません。

内閣府の「孤独死・孤立死」の実態把握に関するワーキンググループでは、「孤独」は主観的な感情であり、「孤立」は家族や地域社会などとの接触が少ない客観的な状態であると整理されています。

そのため、国が実態を把握する際には、本人の感情を事後的に確認できない「孤独死」ではなく、客観的な状況から検討できる「孤立死」という言葉が用いられています。

内閣府は、孤立死の操作的な定義を次のように整理しています。

誰にも看取られることなく、死亡後に発見される死

ただし、実際には、生前に社会的に孤立していたかどうかを、死後に完全に確認することは困難です。

そこで、警察庁が集計した「自宅において死亡した一人暮らしの者」のうち、発見までに経過した日数を手掛かりとして、孤立死者数の推計が行われています。

警察庁が公表した2025年の最新統計

警察庁が2026年に公表した資料によると、2025年中に警察が取り扱った遺体は、全国で204,562体でした。

そのうち、自宅で亡くなった一人暮らしの人は76,941人です。

警察が取り扱った遺体全体の約37.6%を占めています。

数字を整理すると、次のとおりです。

  • 警察取扱死体数:204,562体
  • 自宅で亡くなった一人暮らしの人:76,941人
  • 警察取扱死体数に占める割合:約37.6%
  • そのうち65歳以上:58,919人

なお、ここでいう「警察取扱死体」とは、犯罪による死亡だけを意味するものではありません。

自宅などで死亡し、死因や死亡状況を確認するために警察が取り扱った遺体が含まれています。

そのため、「日本で亡くなった人の37.6%が一人暮らしの自宅で亡くなった」という意味ではありません。

あくまで、警察が取り扱った遺体の中での割合です。

警察庁「令和7年 年齢階層別・経過日数別資料」

2024年と比較すると921人増加

2024年に自宅で亡くなった一人暮らしの人は、全国で76,020人でした。

2025年は76,941人であるため、前年から921人増加しています。

割合で見ると、約1.2%の増加です。

警察取扱死体数に占める割合も、2024年の37.2%から、2025年は約37.6%へ上昇しています。

1年間の比較だけで長期的な傾向を断定することはできませんが、自宅で亡くなる一人暮らしの人が、依然として非常に多い状況であることは確認できます。

警察庁「令和6年中における警察取扱死体のうち、自宅において死亡した一人暮らしの者について」

自宅で亡くなった一人暮らしの人すべてが孤独死ではない

警察庁が公表した76,941人は、次の条件に該当する人の総数です。

  • 一人暮らしである
  • 自宅で亡くなった
  • 警察が遺体を取り扱った

この中には、亡くなった当日や翌日に、家族、知人、訪問介護職員、配達員などによって発見されたケースも含まれます。

生前に家族と頻繁に連絡を取っていた人や、地域との交流があった人もいると考えられます。

そのため、76,941人全員を孤独死または孤立死と表現するのは正確ではありません。

警察庁の数字は、孤独死そのものの件数ではなく、孤立死の実態を検討するための基礎資料として見る必要があります。

2025年の孤立死者数は22,222人と推計

内閣府は、警察庁の統計をもとに、2025年の孤立死者数を22,222人と推計しています。

この推計では、自宅で亡くなった一人暮らしの人のうち、死後8日以上経過してから遺体が発見されたケースを、孤立死の概数を把握するための目安としています。

死後8日以上経過して発見された場合、少なくとも発見前の7日間は、本人と連絡が取れないことを心配し、安否を確認する人との接触機会がなかった可能性が高いと考えられるためです。

2025年の推計値は次のとおりです。

  • 死後8日以上で発見:22,222人
  • 死後4日以上で発見:32,678人

死後4日以上の32,678人は、参考値として公表されています。

内閣府は、特定の日数だけで孤立死を一律に定義しているわけではないと注意を促しています。

8日以上経過していても生前に孤立していなかったケースや、反対に、生前は孤立していても死亡後すぐに発見されたケースがあるためです。

内閣府「人々のつながりに関する基礎調査(令和7年)等について」

孤立死者数は前年から366人増加

内閣府によると、2024年の孤立死者数の推計は21,856人でした。

2025年は22,222人であり、前年から366人増加しています。

2025年の推計値を1日当たりに換算すると、全国で平均約61人が、死後8日以上経過して発見された計算になります。

これはあくまで統計上の平均ですが、孤立死が一部の地域だけで発生する特別な出来事ではないことを示す数字といえます。

発見までにどれくらいの日数がかかっている?

警察庁は、自宅で亡くなった一人暮らしの人について、死亡から発見までの経過日数も公表しています。

2025年の内訳は次のとおりです。

  • 0~1日:28,398人
  • 2~3日:15,865人
  • 4~7日:10,456人
  • 8~14日:7,570人
  • 15~30日:7,504人
  • 31~90日:5,195人
  • 91~180日:1,273人
  • 181~365日:472人
  • 366日以上:208人

最も多いのは、死亡当日または翌日までに発見されたケースです。

一方で、死亡から31日以上経過して発見された人は、合計7,148人います。

さらに、死亡から1年以上経過して発見された人も208人確認されています。

死後の経過日数が長いからといって、生前の人間関係や生活状況を数字だけで断定することはできません。

しかし、数週間から数か月、場合によっては1年以上にわたり、死亡が周囲に気付かれなかったケースが存在することは、社会的な課題として重く受け止める必要があります。

孤立死は高齢者だけの問題ではない

自宅で亡くなった一人暮らしの人76,941人のうち、65歳以上は58,919人でした。

全体の約76.6%に当たります。

高齢者の割合が高いことは事実ですが、65歳未満も17,860人確認されています。

年齢別の人数は次のとおりです。

  • 20~24歳:352人
  • 25~29歳:401人
  • 30~34歳:429人
  • 35~39歳:546人
  • 40~44歳:874人
  • 45~49歳:1,508人
  • 50~54歳:3,091人
  • 55~59歳:4,477人
  • 60~64歳:6,125人
  • 65~69歳:8,058人
  • 70~74歳:11,004人
  • 75~79歳:13,412人
  • 80~84歳:11,366人
  • 85歳以上:15,079人

人数が最も多い年齢区分は、85歳以上の15,079人です。

一方で、40代、50代、60代前半でも多数確認されています。

内閣府も、孤立死の対象を高齢者だけに限定する理由はなく、幅広い年齢層を対象とすることが適当だとしています。

孤立死は、高齢者だけの問題として考えるのではなく、病気、失業、生活困窮、家族関係の変化、地域とのつながりの減少などによって、現役世代にも起こり得る問題です。

兵庫県では3,416人が一人暮らしの自宅で死亡

2025年に兵庫県内で警察が取り扱った遺体は、8,941体でした。

そのうち、自宅で亡くなった一人暮らしの人は3,416人です。

さらに、そのうち65歳以上は2,709人でした。

兵庫県の数字を整理すると、次のとおりです。

  • 警察取扱死体数:8,941体
  • 自宅で亡くなった一人暮らしの人:3,416人
  • そのうち65歳以上:2,709人
  • 一人暮らしの自宅死亡者に占める65歳以上の割合:約79.3%

兵庫県では、警察が取り扱った遺体の約38.2%が、自宅で亡くなった一人暮らしの人でした。

全国の約37.6%と比べると、兵庫県は約0.6ポイント高い結果です。

ただし、この割合は人口に対する発生率ではありません。

都道府県ごとの人口構成、単身世帯数、警察が遺体を取り扱う状況などが異なるため、この数字だけで兵庫県は孤独死が多い、または危険性が高いと断定することはできません。

警察庁「令和7年 都道府県別資料」

姫路市単独の同一基準による件数は確認できない

警察庁の2025年資料では、都道府県別の件数まで公表されています。

一方、今回確認した警察庁の公表資料には、姫路市単独の件数は掲載されていません。

そのため、警察庁と同じ定義を用いた姫路市の件数について、現時点で確認できる信頼性のある公表値はありません。

兵庫県全体の3,416人を、人口比などで単純に姫路市へ割り振ることも適切ではありません。

姫路市の実数として推測値を掲載すると、実態と異なる数字になる可能性があるためです。

発見までの日数が長くなる主な背景

孤立死は、単に一人で暮らしていることだけで発生するものではありません。

一人暮らしであっても、家族や友人と定期的に連絡を取り、地域や支援機関とのつながりがあれば、異変に早く気付いてもらえる可能性があります。

一方で、次のような状況が重なると、異変の発見が遅れることがあります。

  • 家族や親族と疎遠になっている
  • 近隣住民との交流が少ない
  • 仕事を辞めて社会との接点が減った
  • 病気や身体機能の低下で外出できない
  • 介護や医療サービスを利用していない
  • 電話やメッセージで定期的に連絡を取る人がいない
  • 郵便物や新聞の滞留に気付く人がいない
  • 自宅への訪問を拒んでいる
  • 経済的な困窮を抱えている
  • 周囲へ助けを求めることが難しい

孤立死には、健康状態、経済状況、家族関係、住環境、地域とのつながりなど、複数の要因が関係します。

一つの原因だけで説明したり、亡くなった本人や家族だけの責任と考えたりすることは適切ではありません。

孤独死が疑われる室内へ無理に入ってはいけない理由

家族や管理会社が室内の異変に気付いた場合でも、応答がなく、安否を確認できないときは、無理に室内へ入らないでください。

まずは警察や消防へ連絡し、状況を説明する必要があります。

すでに警察による現場確認が終わり、遺体が搬送されたあとであっても、室内の状態によっては注意が必要です。

発見までに時間が経過した現場では、次のような問題が起きていることがあります。

  • 床や寝具への体液の浸透
  • 腐敗に伴う強い臭い
  • ハエやウジなどの害虫発生
  • 細菌を含む可能性のある汚染物
  • 汚染された衣類や家財
  • 臭気の壁、床、天井への付着
  • 集合住宅の階下への体液浸透

市販の消臭剤をまいたり、一般的な家庭用洗剤で拭いたりするだけでは、汚染や臭いの原因を取り除けない場合があります。

また、汚染した寝具や床材を素手で触ることも避けてください。

汚染範囲、床下への浸透、害虫の発生状況などを確認し、必要に応じて特殊清掃業者へ相談することが重要です。

孤独死現場の特殊清掃で行うこと

孤独死現場の特殊清掃では、現場の状態に応じて作業内容を決めます。

主な作業は次のとおりです。

  • 汚染箇所の確認
  • 体液や汚染物の除去
  • 汚染された家財や寝具の梱包
  • 室内の消毒
  • 害虫の駆除
  • 臭いの原因となる床材や下地の撤去
  • 壁紙などへの臭気付着状況の確認
  • 消臭剤による処理
  • オゾン脱臭
  • 遺品整理や家財搬出
  • 必要に応じた原状回復工事

特殊清掃では、単に室内へ消臭剤をまいたり、オゾン発生器を運転したりするだけでは十分でない場合があります。

体液が床材の下や下地に浸透している場合は、臭いの発生源を取り除かなければ、時間が経ってから臭いが戻る可能性があります。

どこまで撤去する必要があるかは、発見までの日数だけでは決まりません。

室温、季節、換気状況、遺体があった場所、床材の種類、体液の浸透範囲などを現地で確認して判断します。

早期発見につなげるためにできること

孤立死を完全に防ぐことは困難です。

しかし、日頃から定期的な接点を作ることで、異変に気付くまでの時間を短くできる可能性があります。

例えば、次のような方法があります。

  • 家族が決まった曜日や時間に連絡する
  • 電話だけでなく、返事の有無を確認する
  • 地域の見守り活動を利用する
  • 配食サービスを利用する
  • 訪問介護や訪問看護を利用する
  • 自治体や地域包括支援センターへ相談する
  • 緊急通報サービスや見守り機器を利用する
  • 新聞や郵便物がたまったときの連絡方法を決める
  • 賃貸住宅では管理会社と緊急連絡先を共有する

重要なのは、一人暮らしそのものを問題視することではありません。

本人の意思や生活を尊重しながら、異変があったときに誰かが気付ける仕組みを作ることです。

姫路市・兵庫県の孤独死現場はALへご相談ください

ALでは、姫路市を中心に、兵庫県内の孤独死現場における特殊清掃、消毒、消臭、害虫駆除、遺品整理、家財整理、原状回復に対応しています。

孤独死現場では、室内の広さだけでなく、汚染の範囲や建物の構造によって必要な作業が異なります。

ALでは、現場の状態を確認したうえで、次の内容をご説明します。

  • 汚染されている範囲
  • 残せる家財と処分が必要な家財
  • 床材や下地の撤去が必要か
  • 消毒や消臭の方法
  • 遺品整理の進め方
  • 原状回復が必要な範囲
  • 作業内容と費用の内訳

ご家族が遠方に住んでいる場合や、管理会社・大家・不動産会社からのご相談にも対応しています。

室内の臭いや汚染が強い場合は、無理に立ち入ったり、家財を動かしたりせず、まずは現在の状況をお知らせください。

まとめ

警察庁と内閣府が公表した2025年の数字をまとめると、次のとおりです。

  • 警察が取り扱った遺体:全国204,562体
  • 自宅で亡くなった一人暮らしの人:76,941人
  • そのうち65歳以上:58,919人
  • 死後8日以上で発見された孤立死者数の推計:22,222人
  • 兵庫県で自宅死亡した一人暮らしの人:3,416人
  • 兵庫県のうち65歳以上:2,709人

自宅で亡くなった一人暮らしの人76,941人すべてが、孤独死または孤立死というわけではありません。

一方で、死亡から8日以上経過して発見された人が22,222人いるという推計は、社会とのつながりが途切れた状態で亡くなる人が少なくないことを示しています。

孤立死は、高齢者だけに起こる問題でもありません。

家族、地域、医療、介護、福祉、住宅管理など、それぞれの立場から、異変へ早く気付ける仕組みを作ることが重要です。

また、孤独死が発生した室内では、体液汚染、害虫、強い臭いなどが生じている場合があります。

警察による現場確認後も、無理に自分たちだけで片付けず、現場の状態に応じて特殊清掃業者へ相談してください。

参考資料・情報源

この記事は、2026年7月25日時点で確認できる、次の公的資料をもとに作成しています。

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